現在の日本では、人が亡くなると仏式でのお葬式がほとんどで、僧侶を呼んで読経いただくことが一般的です。そこで必要となるのが「お布施」です。お布施の渡し方には普段やらないようなマナーがあり、知らないと失礼にあたることもあります。
ここではお布施はどのように渡すのか?何に入れたらいいのか?など、お布施についてのマナーを詳しく書いていきます。
この記事を書いた人
わかりやすい家族葬 足立区店 代表取締役 関 直旗
葬儀業界歴12年。対応した葬儀は3,000件以上。
東京都足立区の葬儀社「わかりやすい家族葬 足立区店」では、低価格でも暖かい葬儀・家族葬をお手伝いしております。専門知識や経験をもとに、足立区周辺で葬儀を検討する方々にとって役立つ情報をご提供します。
お布施とは
お布施とは、葬儀や法要に招いた僧侶への感謝の気持ちとして渡す金銭のことです。読経や戒名授与に対するお礼として渡すものであるため、本来決まった相場は存在しません。報酬ではないので「支払う」とは表現せず、「包む」「納める」を使用します。
葬儀や法要、法事毎にお渡しし、それぞれで用意する金額が異なることが一般的です。
お布施の渡し方
お布施を渡すとき、財布から現金を取り出してそのまま渡す、なんてことは絶対にNG!ここまで極端でなくとも、お布施の渡し方にはいくつかマナーがあります。
渡し方を「準備編」と「渡す編」に分けてお伝えしますので、正しいマナーを覚えておきましょう。
お布施の渡し方・準備編
お布施袋(封筒)の用意
お布施は、お布施袋と呼ばれる封筒に入れて渡します。原則、水引は必要なく白無地のものとされていますが、5万円を超えるお布施を包む場合には銀色(双銀)の水引のついたものも使用されています。また地域によっては銀色、白黒、黄色などの水引がついた封筒を使用するところもあります。中袋のついたものを使用するとより丁寧な印象が与えられます。本来は奉書紙に包むものでしたが、現在は封筒で問題ありません。
お布施袋の書き方
お布施袋(表書き、裏書き、中袋)の書き方と注意点をまとめていきます。
表書き
封筒の表 中央上部に「御布施」、その下のほうに喪主・施主のフルネーム、または「〇〇家」を書きます。また、購入した封筒にあらかじめ「御布施」の文字がプリントされていれば、名前だけで問題ありません。
裏書き
封筒の裏に、喪主・施主の郵便番号、住所、電話番号、名前、お布施の金額を、縦書きで記入します。表書きで「〇〇家」とした場合、裏書きではフルネームを記載しましょう。
お布施の金額は、頭に「金」の文字を付け、旧字体の漢数字で書きます(「1」→「壱」、「5」→「伍」、「10」→「拾」等)。また「円」は「圓」と書き、最後に「也」は現在つけてもつけなくも問題ありません。
【例】 20万円の場合:金弐拾萬園(也)
中袋
中袋には、表面の中央に包んでいるお布施の金額を書き、裏面には 左下に郵便番号、住所、氏名を記載します。書き方のルールは上記の裏書きの時と同じです。
書く時の注意点
・毛筆や、筆ペンを使う
お布施袋へは、筆や筆ペンを使用して書くことが望ましいです。ただボールペンやマジックペンが禁止されているわけではありません。特に理由のない場合は、筆や筆ペンを使用するとよいでしょう。
・薄墨ではなく、濃墨で書く
香典に記入する時は薄墨で記入しますが、これは訃報を受けた悲しみを表すものとなり、僧侶に渡すお布施は濃墨で書きます。意外と間違えてしまうので注意です。
包むお金と、お金の包み方
包むお金
お布施では、新札を前もって用意します。葬儀に参列する際は、急いで駆けつけて準備をしていなかったという意味で、使用感のあるお札が使用されます。これはお布施では逆に失礼にあたり、僧侶へのお礼として事前に準備するものということで、シワのない新札、難しい場合は可能な限りきれいなお札を使うのがマナーです。
お金の包み方
包む際は、すべてのお札の向きをそろえ、表面に肖像画が見えるようにして入れます。肖像画が上を向いているイメージです。裏返しではマナー違反となりますので気を付けましょう。
御車代、御膳料
僧侶を招いた場合は「御車代」、僧侶が会食に参加しない時は「御膳料」を用意します。必ずそれぞれ別の封筒を用意して包み、お布施と一緒に渡します。
お布施の渡し方・渡す編
切手盆に載せて渡す
お布施は直接手渡ししては失礼にあたります。小さなお盆(切手盆)に載せてお渡しします。切手盆がない場合は、袱紗(ふくさ)を使用しても問題ありません。袱紗を使う場合は、袱紗に包んだままではなく、袱紗を開いて渡すようにしましょう。渡すときには「本日はよろしくお願いいたします」など、あいさつやお礼の言葉を添えます。
渡すのは開式前が一般的
お布施を渡すタイミングは、葬儀が始まる前のあいさつの際が一般的です。タイミングがなかった時や、お寺や僧侶の意向としてほかのタイミングで渡すことも問題ありません。中には事前にお寺でのお渡しや、閉式後や後日のこともありますので、確認されると間違いないでしょう。
まとめ
本コラムでは「お布施」のマナーについて詳しくまとめました。知らず知らずの内に僧侶に失礼をかけてトラブルに発展したという話も聞いたことがあります。細かいところもありますが、事前に封筒を買うなどして、もしもの時に備えておくこともいいかもしれません。
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