相続手続きって何をするの?葬儀後にやるべき相続手続き、流れ【足立区の葬儀・家族葬】

家族が亡くなった際、気持ちの整理もつかぬままにまずは葬儀の手配をしなければなりません。葬儀屋に依頼して、菩提寺に相談して、関係者に連絡、いざ葬儀当日。予定通りに進み、無事に葬儀が終わって…そこですべて終わりではありません。

さまざまな手続きをしなくてはならず、それぞれ守るべき「期限」や複雑な「手順」があったりと、専門知識がなければなかなか難しいこともございます。

ここでは葬儀後の手続きの中でも「相続」にスポットを当ててご説明します。

目次

【相続】とは

相続とは簡単に言うと、亡くなった方の財産や権利・義務を、家族(配偶者や子ども)などが引き継ぐことを言います。引き継がれるものには預貯金や不動産などがありますが、実は借金などのマイナス要素も含めてすべて相続されます。必ず引き継がなくてはならないわけではなく、相続人の権利を放棄して受け取らないことも可能です。

相続手続きの流れと期限

相続の手続きを進めていく際の流れを簡単にまとめましたので見ていきましょう。

  1. 遺言書の有無を確認
  2. 遺言書の検認手続き
  3. 相続人を調べる
  4. 相続財産を調査
  5. 遺産分割協議をおこなう
  6. 相続放棄、限定承認の申請
  7. 準確定申告(被相続人の所得税の確定申告)
  8. 遺産分割協議書の作成
  9. 各種財産の名義変更
  10. 相続税の申告
  11. 相続登記をする

以上が大まかな流れとなります。次にそれぞれの期限別に、内容や手続きが必要かどうかを確認しましょう。

死亡から1か月以内の場合

  • 遺言書の有無を確認する
    • 必ず行う

遺言書の内容は相続においては何よりも優先され、遺言書の有無は相続人に大きく影響を与えます。例えば後に遺言書が見つかった場合、遺産分割協議で合意があったとしても遺言書による指定が最優先されます。故人から遺言書の有無を聞いていなかったり、遺言書はないと思われる場合でも、入念に探すべきでしょう。自宅、病院や施設にあったり、公証役場、法務局や金融機関のサービス、専門家などに預けている場合もあります。 

  • 遺言書の検認手続き
    • 該当する場合行う

遺言書の種類は大きく分けて「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」「公正証書遺言」の3つがあります。偽造の恐れのない「公正証書遺言」を除き、家庭裁判所での検認手続きが必要です。

また、「公正証書遺言」ではない遺言を開封することは違反行為となりますので、絶対に開けないようにしましょう。

  • 相続人を調べる
    • 必ず行う

基本的に相続できるのは、民法で定められている被相続人の配偶者や子、両親、兄弟などの「法定相続人」と、遺言書に指定のある「受遺者」です。

遺産を相続する人は誰なのか調べる必要があります。こちらも、遺産分割協議の後で、他の相続人がいると判明した場合は協議が無効となります。

戸籍謄本などを元にほかの相続人がいないか、また相続の権利があることを確認します。

  • 相続財産を調査
    • 必ず行う

相続財産は種類もさまざまで、すべてを確認するのに時間がかかります。自宅や通帳、権利書、借用書、郵便物などを確認しつつ、故人の相続財産を調査していきます。

ちなみにお墓や仏壇、遺骨などの祭祀財産や、故人以外が受取人の生命保険金、香典、葬儀費用などは相続財産とはなりません。

死亡から3か月以内の場合

  • 遺産分割協議をする
    • 遺言のない場合に行う

遺言書があればその内容に従いますが、ない場合は遺産分割協議で相続人の遺産の分割方法を決定します。相続人全員の参加がなければ無効となります。

協議で合意がとれないときは、家庭裁判所にて遺産分割調停が行われ、それでもなお解決しなければ遺産分割審判となります。

  • 相続するか、放棄するか決める
    • 該当する場合行う

相続財産の調査が終わると、相続人が本当に相続するかを決定します。

相続は、負債含むすべての財産を無条件で相続する「単純承認」、プラスの財産の範囲の中でマイナスの財産を相続する「限定承認」、そして相続の権利を放棄し一切を相続しない「相続放棄」の3つの種類があり、この中から選択することとなります。

相続はプラス、マイナスどちらの財産も引き継ぐためマイナスの財産の多い場合や、相続に関わりたくないなど、何かしらの事情がある際に相続放棄は選択されます。

死亡から4か月以内

  • 準確定申告(被相続人の所得税の確定申告)
    • 該当する場合行う

死亡した人が確定申告が必要だった場合、1月1日からなくなった日までの所得を故人に代わり申告しなければなりません。相続人や包括受遺者が申告する必要があり、申告先は税務署です。

死亡から10か月以内

  • 遺産分割協議書の作成
    • 相続人が複数おり、遺産分割協議をした場合に行う

後日のトラブルを防ぐため、また名義変更手続きなどを円滑に進められるよう、「遺産分割協議書」を作成します。「だれが」「なにを」「どのように」受け取るかを明確に記載します。すべての相続人の分作成し、それぞれが1通ずつ保管します。この時、全員の実印の押印と、印鑑証明書が必要です。

後述する相続税の申告では、この遺産分割協議書を提出します。そのため相続税の申告の期限である10か月に間に合うよう作成を済ませましょう。

  • 各種財産の名義変更
    • 該当する場合行う

故人の金融機関や証券会社の保有口座、その他名義変更に必要なもの(自動車、小型二輪、電話加入権など)の手続きを行います。手続きの内容ごとに手続き方法や必要なものが異なりますので、手続き先に確認しつつ進めましょう。

  • 相続税の申告
    • 該当する場合行う

相続財産の評価額から、相続税がかかるのかどうか計算し申告します。相続税は控除制度などの適用で発生しない場合でも申告しなければなりません。

ちなみに、相続税は現金一括での納付が原則となります。

死亡から3年以内

  • 相続登記をする
    • 該当する場合行う

相続で不動産を取得した相続人は、相続登記の申請をすることが令和6年4月より義務化されました。不動産の所在地を管轄している法務局へ提出し、不動産固定資産評価額の0.4%が登録免許税として必要となります。

登記申請書はウェブから取得が可能です。必要なものも確認して手続きしましょう。

相続手続きをしないとどうなる?

相続手続きをしなかった場合や期限が過ぎてしまった場合、次のようなことが考えられます。取り返しのつかないリスクがあるので、きちんと手続きをしましょう。

  • 相続放棄や限定承認ができなくなる。
  • 遺留分侵害額請求や、相続回復請求ができなくなる。
  • 預貯金や不動産、株式などの遺産が消滅する恐れがある。
  • 相続税未申告とみなされ追徴課税の恐れがある

まとめ

今回は「相続」にどのような手続きがあるのかまとめました。

複雑な手続きや期限が設けられており、気付いた時にはもう手遅れ…なんてこともあり得ます。ご自身での手続きが難しいときは、素直に専門家に相談してみましょう。

わかりやすい家族葬では、24時間365日年中無休でご相談を受け付けております。誰かに相談することで不安が和らぐこともございます。

また足立区の葬儀、家族葬のことや、はじめての葬儀に不安のある方なども、いつでもお気軽にお問合せください。

監修:長岡 真也(行政書士|神奈川県行政書士会所属)
横浜市港南区の長岡行政書士事務所 代表。遺言書作成・相続手続き・成年後見制度に精通した行政書士として、個人のお客様の悩みを解決して日常を守るため『印鑑1本で手続きが済むサポート』を提供している。「遺言書作成コラム」「相続手続きコラム」も運営しており、遺言・相続にまつわる知識・制度を積極的に発信中。横浜市・神奈川県全域から東京23区までが対応範囲
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